2023年9月28日 伝統芸能「香美町の三番叟」が奉納されます!
~室町時代からの伝統芸能・町内7ヶ所で伝承~~
兵庫県とは申しましても、神戸市から2番目に遠い位置にあります、県北部の日本海に面した香美町(かみちょう)。
香住区内の6カ所(一日市、香住、森、下浜、訓谷、沖浦)と小代区内の1カ所(新屋)の計7ヶ所で伝承されている「香美町の三番叟」が10月の秋祭りなどで奉納されるのに向け、8月下旬から各地区の会館などで練習に励む姿が見られます。練習場から漏れ聞こえてくる笛の音から、地元住民は秋の訪れを感じます。
「香美町の三番叟」は室町時代から始まったとされ、「天下泰平、国土安穏、長久円満息災延命」などを祈願し、「踏子」と呼ばれる「千歳(せんざい)」「翁(おきな)」「黒木尉(くろきじょう)」の三役が謡手、鼓、笛、拍子木のリズムに合わせて舞を奉納します。これが町内7カ所で伝承されるという県下でも珍しい地域です。
伝統芸能、文化継承企画などございましたら、取材につきましてご検討いただきますようよろしくお願いいたします。
今年は4年ぶりに全7ヶ所で開催されることとなりました。練習風景を含め、取材にお越しいただける場合など、香美町役場神戸営業所までお問い合わせください。
■「三番叟」とは
三番叟は「さんばそう」あるいは「さんばんそう」と呼ばれ、三番猿楽という言葉で、方固めという四方へ向かって大地を踏み固める悪魔払いの呪術であったようで、室町時代より始まったとされています。「舞う」のではなく、「踏む」と言っているのは、そうした踏み鎮めの祈祷の名残と考えられています。
■「香美町の三番叟」の特徴
香住(かすみ)区内の6カ所(一日市、香住、森、下浜、訓谷、沖浦)は、能楽の流れを汲む三番叟、小代(おじろ)区内の1カ所(新屋)は、歌舞伎の三番叟を伝える壽式三番叟で、「香美町の三番叟」としてあわせて7カ所で伝承され、毎年10月に行われる各地区の秋祭りで奉納されています(所要時間は約45分~1時間30分程度)。
香美町の三番叟は、近世にこの地で流行した村芝居、農村歌舞伎の影響が大きく、能の影響も受けています。踏子は少年が務めるところが多く、少子高齢化の中で伝承が危ぶまれた時期もありましたが、昭和40年代以降、各地区に保存会が結成され、鳴り物や謡の伝承にも大きな役割を果たしています。
■香住三番叟について
「香美町の三番叟」の1つ「香住三番叟」は10月5日(木)の秋季例大祭で奉納されます。香住三番叟の特徴は、踏子の3人を中学生の男子が務めることです。8月下旬から香住三番叟実行委員会の指導のもと約1カ月の稽古を行います。また、前日の10月4日(水)には、地元自治会長宅をはじめ、新築や出産、商売繁盛などの祝い事のある家で三番叟を奉納する「町周り」が行われます(所要時間は1軒約30分程度)。
■令和5年度の日程
森(もり)吉野神社三番叟 | 森会館 | 9月30日(土)午後6時30分、 10月1日(日)午後3時 |
大乗寺客殿 | 9月30日(土)午後7時すぎ | |
一日市(ひといち)三番叟 | 一日市消防格納庫横広場 (雨天:一日市区公民館) |
10月1日(日)午後3時 |
訓谷(くんだに)三番叟 | 沖野神社境内芝居堂 | 10月1日(日)午後7時30分、 10月2日(月)午後1時15分 |
下浜(しものはま)三番叟 | 帝釈寺境内薬師堂 | 10月4日(水)午後7時、 10月5日(木)午後2時30分 |
香住(かすみ)三番叟 | 香住公民館横駐車場 | 10月5日(木)午後3時 |
沖浦(おきのうら)三番叟 | 大放神社境内芝居堂 | 10月6日(金)午後7時、10月7日(土)午後3時 |
新屋(にんや)壽式三番叟 | ロマンの郷えいのう館 | 10月22日(日)午後3時 |
※時間はおおよそのもので、祭関連諸行事の進行により前後する場合があります。雨天の場合は、時間、会場等が変更となる場合があります
プレスリリース 香美町の三番叟
★一部の奉納が動画配信されます。こちらからご確認ください(facebookページ)↓