2022年9月26日 伝統芸能「香美町の三番叟」が奉納されます!

室町時代からの伝統芸能 町内七カ所で伝承

兵庫県重要無形民俗文化財 伝統芸能「香美町の三番叟(さんば(ん)そう)」が奉納されます!
香住区内の6カ所(一日市、香住、森、下浜、訓谷、沖浦)と小代区内の1カ所(新屋)の計7カ所で伝承されて いる「香美町の三番叟」が10月の秋祭りで奉納されるのに向け、8月下旬から各地区の会館などで練習に励む姿が 見られ、漏れ聞こえる笛の音から、地元民は秋の訪れを感じます。

「香美町の三番叟」は室町時代から始まったとされ、「天下泰平、国土安穏、長久円満息災延命」などを祈願し、「踏子」と呼ばれる「千歳(せんざい)」「翁(おきな)」「黒木尉(くろきじょう)」の三役が謡手、鼓、笛、拍子木のリズムに合わせて舞を奉納します。これが町内7カ所で伝承されるという県下でも珍しい地域です。
伝統芸能、文化継承企画などございましたら、取材につきましてご検討いただきますようよろしくお願いいたします。
なお本年は、コロナ感染拡大防止のため、7カ所中1カ所が中止という状況ではございますが、練習風景を含め、取材にお越しいただける場合には、香美町役場神戸営業所までお問い合わせください。

 

■「三番叟」とは

▲訓谷三番叟の翁舞

三番叟は「さんばそう」あるいは「さんばんそう」と呼ばれ、三番猿楽という言葉で、方固めという四方へ向かって大地を踏み固める悪魔払いの呪術であったようで、室町時代より始まったとされています。「舞う」のではなく、「踏む」と言っているのは、そうした踏み鎮めの祈祷の名残と考えられています。

 

■「香美町の三番叟」の特徴

香住(かすみ)区内の6カ所(一日市、香住、森、下浜、訓谷、沖浦)は、能楽の流れを汲む三番叟、小代(おじろ)区内の1カ所(新屋)は、歌舞伎の三番叟を伝える壽式三番叟で、「香美町の三番叟」としてあわせて7カ所で伝承され、毎年10月に行われる各地区の秋祭りで奉納されています(所要時間は約45分~1時間30分程度)。
香美町の三番叟は、近世にこの地で流行した村芝居、農村歌舞伎の影響が大きく、能の影響も受けています。踏子は少年が務めるところが多く、少子高齢化の中で伝承が危ぶまれた時期もありましたが、昭和40年代以降、各地区に保存会が結成され、鳴り物や謡の伝承にも大きな役割を果たしています。

 

■香住三番叟について

▲香住三番叟の町まわりの様子

 

「香美町の三番叟」の1つ「香住三番叟」は10月5日(水)の秋季例大祭で奉納されます。
香住三番叟の特徴は、踏子の3人を中学1年生の男子が務めることです。8月下旬から香住三番叟実行委員会の指導のもと約1カ月の稽古を行います。また、前日の10月4日(火)には、地元自治会長宅をはじめ、新築や出産、商売繁盛などの祝い事のある家で三番叟を奉納する「町周り」が行われます(所要時間は1軒約30分程度です)。今年は、踏子の中学生が通う「香住第一中学校」を訪問し、地元の伝統芸能への理解を深めてもらう機会として学友の前での披露となる予定です(調整中)。

 

 

■令和 4 年度の日程

訓谷 ( くんだに ) 三番叟 沖野神社境内芝居堂 10月1日(土)午後7時30分~
10月2日(日)午後1時15分~
一日市 ( ひといち ) 三番叟 一日市消防詰所横
(雨天:一日市区公民館)
10月2日(日)午後3時30分~
下浜 ( しものはま ) 三番叟 帝釈寺薬師堂 10月4日(火)午後7時ころ~
10月5日(水)午後2時ころ~
香住 ( かすみ ) 三番叟
香住神社拝殿
香住区公民館駐車場
 

10月5日(水)午前11時~ )
10月5日(水)午後3時~
※10月4日(月)香住第一中学校訪問(調整中)

 

沖浦 ( おきのうら ) 三番叟 大放神社境内芝居堂 10月6日(木)午後7時ころ~
10月7日(金)午後3時ころ~
新屋 ( にんや ) 壽式三番叟 新屋営農館 10月23日(日)<時間未定>
森 ( もり ) 吉野神社三番叟 中止

 

 

プレスリリース

三番叟チラシ